博物館がつなぐ、不思議な縁。中学入試頻出作家“朝比奈あすか„さんによる書き下ろし小説『いつか、あの博物館で。』待望の2刷出来!!

東京書籍株式会社から2024年7月に発売されました中学入試頻出作家“朝比奈あすか„さんによる『いつか、あの博物館で。』が、大好評につき待望の重版出来となりました。

解説

現代社会に生きる子どもたちの姿と、それを取り巻く環境を丁寧な筆致で切り取る小説家・朝比奈あすか。本書は、博物館への校外学習の行動班という「不思議な縁」でつながった4人の「クラスメイト以上、友達未満」の中学生たちを主人公に、彼らの3年間の日常を、それぞれの視点から描いた物語です。

性格も家庭環境も異な4人の中学生が、博物館の行動班という不思議な縁を通じ、「他者」との距離感に悩みながらも、少しずつ「本当の自分」や 「将来への不安や希望」 などを自分なりに見つめていく様子を、丁寧に描写した作品です。

内容紹介

ロボット博物館への校外学習を機に知り合うこととなった安藤悠真、長谷川湊、清水陽菜、市川咲希の男女四人の中学生。彼らの中一から中三までの軌跡を、それぞれを主人公としたエピソードを軸に追い、彼らひとりひとりの視点から、この年代ならではの「素直さ・率直さともどかしさ」、「他者との距離感の難しさや生きづらさ」、「将来への不安や希望」などを、各人を取り巻く環境をふくめて描写した群像劇。

発達障害やグレーゾーン、スマホ所持やゲーム依存、不登校や起立性調節障害、ヤングケアラーや貧困、自身の適性への疑問と進路選択など、現代の子どもたちの抱えている問題を反映しつつ描く、同年代の読者へ向けた葛藤と成長の物語。

『君たちは今が世界(すべて)』『翼の翼』など、思春期の子どもたちとそれを取り巻く環境を丁寧な筆致で描くことに定評のある著者による、四人の中学生を主人公にした書き下ろし長編小説。

登場人物紹介

安藤悠真

創作部に所属し、プラモデル作りが好き。物知りで博学、勉強もよくできる反面、ちょっとうっかりしたところがあり、思ったことをそのまま口に出してしまったり、場にそぐわない言動をしてしまったりすることも。たまに寝癖がついたままのことがあるような無頓着さがある。

 

清水陽菜

バスケ部に所属し、活発で目立つグループの一員。その実、表裏のない性格で、思いやりがあって面倒見も良い。母の家事を手伝いつつ弟と妹の面倒も見ている。自分の状況や内面を他者に開示することにためらいがあり、自身の「感情」にも複雑な思いを抱く。

 

長谷川湊

サッカー部の次期キャプテンと言われ、小学生の頃からスポーツ万能で近所でも有名。朗らかで屈託がなく、明るく素直な性格だが、あえて「愛され弟キャラ」を演じている面も。二つ年上の、友達も多く成績優秀な姉がいるが、姉は不登校の問題を抱えている様子。

 

市川咲希

おとなしく穏やかな性格。ひとりっ子でおばあちゃん子だった。引っ込み思案だったが、おばあちゃんに「おうたがじょうず」なことや、音楽のセンスを見出される。音楽部に所属し、楽器はフルート。球技は苦手だが、実はダンスや水泳などは得意。

もくじ

中学1年   アンドロイドと不気味の谷(安藤悠真・長谷川湊・市川咲希)

中学2年   ドッジボールと僕らの温度差(長谷川湊・市川咲希・清水陽菜)

中学3年   私たちが出会う新しい私たち(清水陽菜・安藤悠真・長谷川湊・清水陽菜)

エピローグ 市川咲希

著者情報

朝比奈あすか(あさひな・あすか)

1976年東京都生まれ。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』(マガジンハウス)を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』(講談社)で小説家としてデビュー。著書に『人間タワー』(文春文庫)、『自画像』『憧れの女の子』(双葉文庫)、『君たちは今が世界(すべて)』(角川文庫)、『翼の翼』(光文社)、『ななみの海』(双葉社)、『ミドルノート』(実業之日本社)など多数。

 

<概要>

『いつか、あの博物館で。』

アンドロイドと不気味の谷

■朝比奈あすか/著

■定価1,650円(本体1,500円+税10%)

■四六判・270頁

https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81760/

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