【スタートレック俳優の壮絶な実話】日系アメリカ人「強制収容」の真実!ジョージ・タケイが語る、第二次世界大戦で突如奪われた子どもの「自由」。差別と偏見に立ち向かい、正義を求めた家族の愛と希望の記録。すべての世代に伝えるべき歴史の証言!

スター俳優の原点――ジョージ・タケイが涙と怒りで描く、5歳で奪われた「ぼくらの自由」

SFテレビドラマ『スター・トレック』のミスター・カトー役などで世界的に知られる俳優、ジョージ・タケイ。彼の人生の原点には、第二次世界大戦中に日系アメリカ人が不当に経験した「強制収容」という、アメリカ史の闇が深く刻まれています。

『ぼくらの自由がうばわれる時 第二次世界大戦の日系アメリカ人の物語』は、彼自身がわずか4歳のときに直面した、理不尽な差別の体験を、子どもの視点から鮮烈に描き出した絵本作品です。この物語は、過去の歴史を伝えるだけでなく、「自由」と「正義」の価値を、現代を生きるすべての人に問いかけます。

「敵」とされた日系市民の悲劇

1941年12月7日、日本によるハワイ・真珠湾への攻撃を境に、アメリカに住むすべての日系アメリカ人の人生は、突然にしてガラリと変わってしまいました。彼らは、何の罪もないにもかかわらず、政府によって「アメリカの敵」と見なされ、12万人以上が強制収容所へ送られます。当時5歳だったジョージ・タケイも、家族と共に不当に自由を奪われた一人でした。

物語は、幼いジョージの目線で、突然自宅から引き離され、競馬場を一時的な収容施設とされたサンタアナ、そして鉄条網と武装兵に囲まれたトゥーリ・レイクなどの強制収容所での生活が描かれます。

「ジョージもジョージの家族も、だれもなにも悪いことはしていませんでした。」にもかかわらず、すべての日系人が財産を失い、自由を奪われたのです。

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絶望の中に見る「家族の愛」と「尊厳」

過酷な環境下で、ジョージの両親、パパとママがどうやって子どもたちの安全と、人としての尊厳を守り抜いたのかが、物語の核として描かれます。

周囲は鉄条網と監視の目がある絶望的な状況でしたが、タケイ一家は決して希望を失いませんでした。この体験は、ジョージ・タケイのその後の人生、そして社会正義を求め続ける彼の活動に強い影響を与えています。彼が現在、全米日系人博物館の名誉理事長を務めていることからも、この体験が彼にとってどれほど大きな意味を持つかが伝わってきます。

この本は、単なる歴史の記録としてだけでなく、人種や出自による偏見が、どれほど簡単に人から「自由」を奪い、人生を破壊してしまうのかを、子どもにも理解できるように優しく、しかし力強く伝えます。

子どもたちの「自分ごと」として、理不尽な出来事と立ち向かう勇気と、他者を思いやる心を育む一冊です。ジョージ・タケイの個人的な体験を通して、過去の過ちから学び、未来の「自由」と「公正」のために行動することの大切さを教えてくれる、すべての世代にとって重要な歴史の証言です。