「子どもたちの主体性」と「人権意識」を育む教育改革の決定版! 古い校則を、未来を創る「協働のルール」へ変える: 生徒・教師・保護者が対話する「みんなのルールメイキング」実践ガイド

長らく日本の学校を支配してきた、慣習的な「ブラック校則」が社会的な問題となり、教育現場は大きな転換期を迎えています。単にルールを撤廃するのではなく、なぜそのルールが必要なのか、そして誰が、どのようにルールを作るべきなのかという根本的な問いに向き合うことが、今、全ての学校に求められています。

本書「校則と子どもの権利 みんなのルールメイキング」は、まさにこの現代的な課題に対する、具体的で、民主的かつ、未来志向の解決策を提示する一冊です。本書が提唱する「みんなのルールメイキング」は、生徒指導の一環としてではなく、子どもの権利保障と、主体的な市民性の育成という、教育の本質に基づいた活動として位置づけられています。

私が本書を読んで最も胸を打たれたのは、ルール作りを単なる「交渉」で終わらせず、「学びのプロセス」として捉え直している点です。生徒たちは、自らの学校生活を良くするために議論を重ねる過程で、「人権とは何か」「民主主義とは何か」「集団生活における責任とは何か」を、机上の空論ではなく、実体験として学びます。

この書籍は、ルールメイキングを実践するための具体的なステップを、豊富な事例とQ&Aと共に示しています。例えば、「議論のテーマ選定の方法」「生徒の意見を建設的に引き出すファシリテーション技術」「学校全体を巻き込むための合意形成プロセス」など、教師や生徒会担当者が直面するであろうあらゆる疑問に答えています。その徹底した実践への配慮は、「これなら自分たちの学校でもできる」という確信を抱かせてくれます。

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子どもの未来社
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特に印象深いのは、ルールメイキングが子どもの自己肯定感に与えるポジティブな影響です。自分たちの声が真摯に聞かれ、意見が学校運営に反映されるという経験は、子どもたちに「自分には価値がある」「この学校は自分たちが創っている」という強い当事者意識と帰属意識を育みます。この主権者意識の育成こそが、アクティブ・ラーニングの究極の成果と言えるでしょう。

本書は、学校現場の先生方だけでなく、「自分の子どもが通う学校をより良い場所にしてほしい」と願う保護者、そして「より主体的な学校生活を送りたい」と考える生徒たち、全てにとって必読の書です。

古い慣習に縛られた学校を、子どもたちが生き生きと学び、自らの未来をデザインできる場所に変える力は、まさに「みんな」の対話の中にあります。本書は、その対話の扉を開き、道を照らす灯台となるでしょう。停滞した学校改革に風穴を開け、教育の未来を創造したいと願う全ての方に、心からお勧めします。