Newtype CHRONICLEファイブスター物語Since 2013は永野護が放つ神話の軌跡を凝縮した記念碑的一冊でゴティックメード登場以降の壮大な設定と美麗なイラストを網羅したファン必携の超豪華記録集

一つの物語が、これほどまでに長く、深く、私たちの魂を揺さぶり続けることがあるでしょうか。1986年の連載開始以来、幾多の変遷を経てなお、他の追随を許さない圧倒的な輝きを放ち続ける「ファイブスター物語」。その中でも、連載再開という衝撃と共に物語が新たな地平へと踏み出した2013年以降の歩みを一挙に総括したのが、この「Newtype CHRONICLE ファイブスター物語 Since 2013」です。これは単なる設定資料集ではなく、永野護という唯一無二の天才が紡ぎ出す、新たな神話の目撃者となるための聖典なのです。

本書を手に取った瞬間に伝わってくるのは、その圧倒的な密度と質量です。かつてのモーターヘッドが「ゴティックメード(GTM)」へとその姿を変え、物語が再起動したあの日の興奮。本作は、その歴史的転換点から現在に至るまでの変遷を、余すところなく記録しています。ページをめくるたびに目に飛び込んでくるGTMのデザイン画は、もはやメカニックデザインという枠を超え、冷徹なまでの美しさを湛えた芸術品のようにすら感じられます。細部まで描き込まれたツインスイングの機構や、流麗な装甲のラインを指でなぞるたび、読者はジョーカー太陽星団の乾いた風を肌に感じるはずです。

実際にページを繰る使用感は、まさに重厚な歴史書を読み解くような感覚に近いものです。ニュータイプ誌面を飾った美麗な表紙イラストから、物語の根幹をなす膨大なキャラクター相関図、さらには読者の理解を助ける詳細な年表まで。情報が濁流のように押し寄せてくる感覚は、ファンにとってこれ以上の喜びはありません。文字情報の隅々にまで目を通すと、物語の裏側に隠された意図や、永野護氏が創造する世界の奥行きがこれまで以上に鮮明に浮き彫りになります。複雑怪奇でありながらも、どこまでも論理的で美しい。その矛盾した魅力に、再び深く溺れていく快感を味わうことができるでしょう。

また、本書の価値は過去の振り返りだけではありません。2013年以降、物語がいかにして深化し、どのように未来へと向かおうとしているのかという、クリエイティブの最前線の熱量を封じ込めています。かつての常識を覆す大胆な設定変更に戸惑い、驚き、そして魅了された日々。そのすべてがこの一冊に集約されており、読み終えたときには、まるで数万年の時を超える長い旅から帰還したような、心地よい疲労感と高揚感に包まれるはずです。

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KADOKAWA
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「ファイブスター物語」を追い続けることは、終わりのない神話に立ち会うことです。古くからの読者にとっては、歩んできた道のりを再確認するための慈しみの書として。そして新しくこの世界を覗こうとする者にとっては、底知れぬ深淵への完璧な手引きとして。このクロニクルは、あなたの本棚で永遠の輝きを放ち続けるでしょう。100年後の未来でも語り継がれるであろう、この神話の断片を今、その手に掴み取ってください。

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