不登校の子供を追い詰めた過去を乗り越え、母と子が笑顔を取り戻すまでの真実の記録。元しくじりママが明かす、子供が心から望んでいた寄り添い方。絶望の淵にいる親御さんに贈る、再登校より大切な絆を育む愛の処方箋。

朝、起きてこない子供の部屋の扉を前に、心臓が潰れるような不安と焦りに押しつぶされそうになったことはありませんか。学校へ行ってほしいという願いがいつしか強制へと変わり、親子の会話が消え、家庭が戦場のようになってしまう。そんな暗闇の中で立ち尽くす親御さんにとって、本書「元・しくじりママが教える 不登校の子どもが本当にしてほしいこと」は、震える手を優しく包み込んでくれる救いの書となります。
著者は、かつて「正しい母親」であろうとするあまり、子供の心を壊しかけた経験を持つ、いわば不登校の戦場を生き抜いてきた元・しくじりママです。世間体、将来への不安、教育への義務感。それらに囚われ、子供が発していた小さな悲鳴を無視してしまった後悔。その痛切な告白は、同じ苦しみの中にいる読者の心に深く突き刺さります。しかし、だからこそ語られる言葉には、表面的な教育論では決して届かない圧倒的な真実味と慈しみがあるのです。
実際に本書を読み進めていくと、自分自身の頑なだった心が少しずつ溶けていくのを感じるはずです。これまで「何とかして学校へ戻そう」と躍起になっていたエネルギーを、別の場所へと向け直す勇気が湧いてきます。子供が学校に行けないのは、怠けているからでも、親の育て方が間違っていたからでもありません。ただ、心が風邪を引き、立ち上がるためのエネルギーを失っているだけなのです。その回復のために、親ができる唯一の、そして最大のこと。それは、子供が「今のままの自分でも愛されている」という絶対的な安心感を与えることでした。
本書で紹介される具体的な接し方や、心の持ち方を日々の生活に取り入れてみたとき、家庭の空気は劇的に変わり始めます。これまで険悪だった食事の時間が、穏やかな沈黙へと変わり、やがて子供の口からぽつりぽつりと本音がこぼれ落ちるようになる。筆者が感銘を受けたのは、著者が説く「親自身の幸せ」の重要性です。親が苦しみ、犠牲になっている姿は、子供にとって最大の罪悪感となります。親が自分の人生を楽しみ、笑うことで、初めて子供は「自分も笑っていいのだ」という許可を自分に出せるようになるのです。
不登校は、人生の終わりではありません。むしろ、これまでの親子のあり方を見つめ直し、一生モノの深い絆を築き直すための「ギフト」であると著者は説きます。数字や結果に追われる社会から一度離れ、ただ一人の人間として我が子と向き合う。そのプロセスを経て得られるのは、学校の成績よりもはるかに価値のある、生きるための根源的な自己肯定感です。
読み終えたとき、あなたはきっと、閉ざされた子供の部屋の扉の向こうにある、かけがえのない宝物に気づくでしょう。明日からは、無理に扉を開けようとするのではなく、扉のこちら側で温かなお茶を淹れて待つことができるようになるはずです。絶望を希望へと変え、親子で新しい一歩を踏み出すための勇気を、この1冊から受け取ってください。





























