桃太郎の昔話を抱腹絶倒のコメディに変貌させた話題作。鬼退治の概念を根本から覆す奇想天外な展開と画面を埋め尽くす圧倒的ギャグの連続に誰もが腹筋崩壊。笑いすぎて息ができないレベルの傑作絵本で腹から笑ってストレスを発散しませんか。

幼い頃から誰もが親しんできたあの桃太郎の物語。桃から生まれた男の子が犬やキジやサルを従えて鬼ヶ島へ向かい悪者を懲らしめるという物語は日本人なら誰もが知る王道のストーリーです。しかしこの作品はそんな誰もが知る前提を見事に打ち砕いてくれます。表紙を開いた瞬間から予測不能な展開が雪崩のように押し寄せ読者の腹筋を容赦なく攻撃してきます。

物語の冒頭おばあさんが川で洗濯をしている場面から異変は始まります。流れてくる桃の描写ひとつをとっても普通の昔話とは一線を画す異彩を放っています。そして桃から生まれる場面でも期待を裏切らない脱力感と笑いのセンスが爆発します。登場人物たちの表情やセリフ回しはどこを切ってもシュールで独特のテンポと間が完璧に計算されています。

お供の動物たちとの出会いも一筋縄ではいきません。きびだんごをあげる場面でのやり取りは笑いなしでは読めないほどナンセンスで最高にコミック的です。仲間が増えるたびにカオスな雰囲気が増していき鬼ヶ島に着く頃には読者は笑い疲れで息も絶え絶えになるはずです。肝心の鬼との対峙シーンでは一般的な勧善懲悪の概念が跡形もなく吹き飛びます。戦うのではなく笑いで殴りかかるような強烈なギャグの連続に誰もが脱帽するでしょう。

著者が描く独特のイラストは絵本という枠組みを超えて一コマ一コマがギャグ漫画の極致に達しています。登場キャラクターたちの絶妙に憎めない表情や細かい描き込みには発見があり何度読んでも新しい笑いが生まれます。子どもに読み聞かせをしようとして親の方が大爆笑してしまい最後まで読み切れないという声が続出しているのも納得の完成度です。

誠文堂新光社
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仕事や家事で疲れ果てた頭をリフレッシュしたいときや嫌なことがあって思い切り笑い飛ばしたい夜にこの一冊は最高の処方箋になります。活字ばかりの本を読むのが億劫なときでもパラパラとページをめくるだけで一瞬で爆笑の渦に引き込まれます。大人になってからこれほど腹の底から笑える体験に出会える機会は滅多にありません。

ユーモアのセンスを極限まで高めたこの作風は子どもから大人まで世代を超えて楽しめます。リビングのテーブルに置いておくだけで家族全員が笑顔になり会話が弾むきっかけになります。友達へのプレゼントやちょっとした差し入れとしても間違いなく喜ばれる一品です。従来の昔話のイメージを鮮やかに塗り替える奇跡の一冊をぜひ手にとってその圧倒的な面白さを確かめてみてください。あまりの笑撃に間違いなく誰かに教えたくなるはずです。