まいにちのごはんで健康になっちゃう。ずぼら薬膳。いつもの食材が体調を整える魔法に変わる。頑張らない自愛のレシピ。スーパーの食材で即実践できる究極の養生訓。台所から始まる一生モノの健康習慣をあなたに。

台所は、あなたを救う聖域になる:頑張らない自分を肯定する「癒やしの食卓」

薬膳と聞くと、どこか特別な知識が必要だったり、手に入りにくい高価な生薬を使ったりするイメージを抱くかもしれません。しかし、本書『「まいにちのごはん」で健康になっちゃう!ずぼら薬膳』は、そんな先入観を鮮やかに、そして優しく解きほぐしてくれます。私たちのすぐそばにあるスーパーの食材、いつものキッチン、そして何より「頑張りすぎない心」。それらがあれば、今日からでも自分の体を慈しむことができるのだと、著者は温かな眼差しで教えてくれます。

本作の最大の魅力は、薬膳という深遠な知恵を、現代の忙しい日常に完璧に寄り添わせた「ずぼら」という哲学にあります。体調が優れないとき、私たちはつい「何か特別なことをしなければ」と焦ってしまいがちです。しかし本書が提案するのは、今の自分に何が足りないのかを、食材の性質を通して対話するように見極めること。例えば、冷えを感じるなら温める力のある食材を、目が疲れているなら潤いを与える食材を。難しい理屈ではなく、直感的に「今の私に必要だ」と感じるものを選ぶ喜びが、各ページに溢れています。

実際に本書のレシピをいくつか試してみて、最も深く胸を打たれたのは、料理が「義務」から「自分へのギフト」へと変わった瞬間でした。手間暇をかけて完璧な一皿を作る必要はありません。切るだけ、煮るだけ、あるいはいつもの献立に一品加えるだけ。そのささやかな工夫が、身体だけでなく心までも解きほぐしていく感覚は、これまでにない発見でした。ずぼらであることを肯定され、その上で自分の健康を主体的に守っているという自負。それが、どれほど日々の生活に安心感を与えてくれるかを、身をもって実感しました。

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大和書房
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また、本書は単なるレシピ集に留まらず、自分の体質や季節の移ろいに耳を澄ませる「養生の思考法」を授けてくれます。雨の日に体が重いのはなぜか、冬に心が沈みがちなのはどうしてか。自然の摂理と自分の体調が繋がっていることを理解したとき、世界の見え方は一変します。不調を敵として排除するのではなく、自然な反応として受け入れ、食材の力を借りて優しく調和させていく。そのプロセスは、究極のセルフラブ(自愛)に他なりません。

『ずぼら薬膳』は、家事や仕事に追われ、自分のことを後回しにしがちなすべての人へ贈る、最高の処方箋です。特別な日はもちろん、何でもない一日の食卓が、あなたを内側から輝かせる源泉へと変わります。難しいことは抜きにして、まずは今日、自分を元気にしてくれる食材を一つ選んでみませんか。ページを閉じたとき、あなたはきっと、自分の身体をもっと愛おしく感じ、キッチンに立つのが少しだけ楽しみになっているはずです。