駄菓子屋のおばちゃんは見た : 小さな商店街で起こる人と人との物語 Kindle版 秋山亜希子 (著) 「駄菓子屋はお菓子を売る場所ではない」 駄菓子屋のおばちゃんの独り言。

ここは群馬県高崎市にある中央銀座商店街。かつて、おまつりの時には人がすれ違えないほどの商店街は、今では数えられるほどの人通り。近所の人生の先輩が折に触れて話してくれるのは、そんなかつての中央銀座。昔話のように語られている、その情景を。その人混みを想像しながら、今日もお店の木戸をあける。

二〇二二年二月にスタートした駄菓子屋わっかは、今では地域の憩いの場となっている。常連さんも出来たりして、この場所で知りあった人々はかけがえない方ばかり。大人になってから、仲良くなるってよっぽどじゃない?と思うけど、そんな人たちがここには集まる。定期的に開催しているイベントには、この小さな駄菓子屋に一日二百人以上のお客さんが集まる。

駄菓子屋わっかは、かつて、岡庄園というお茶屋さんだった。入口の店舗を越えると、かつてはご家族で住んでおられた居住空間。入口からは想像できないほど奥行きがあり、三階建て。今では場所貸しやイベントで利用している。一言でいえば、田舎のおばあちゃんち。

大正にできたという木造の建物、手巻きの柱時計、古い家具や大きな神棚。来ると何だか懐かしいと言って、滞在時間が長くなってしまうのは日常で、ついつい長居してしまうとみんな口をそろえていう。

そんなわっかの古臭さと、逆行して時代はAI化が進み、レジも自動化。買い物はインターネット。人と人との距離が次第に広がっていく現代社会。だからこそ、今、この時代に大切なのは人と人とのぬくもりや繋がり、近くで寄り合える居場所。

「駄菓子屋のおばちゃんは見た : 小さな商店街で起こる人と人との物語」は、秋山亜希子氏が著した、小さな商店街を舞台にした連作短編集です。2023年11月20日にKADOKAWAから発売されました。

本書は、小さな商店街の駄菓子屋のおばちゃんが、商店街の人々の日常を見つめる中で、さまざまな人情模様を垣間見る物語です。

登場人物は、駄菓子屋のおばちゃんをはじめ、商店街の住民や、商店街で働く人たちなど、さまざまな人たちです。彼らは、それぞれに悩みや葛藤を抱えながらも、懸命に生きています。

本書は、そんな彼らの姿を、温かく、時に切なく描いています。

本書の特徴は、以下のとおりです。

  • 小さな商店街を舞台にした、ほっこりとした人情物語。
  • 駄菓子屋のおばちゃんという、ユニークな視点から、商店街の人々の日常を描いている。
  • それぞれの登場人物の悩みや葛藤を、丁寧に描いている。

本書は、小さな商店街の温かさや、人々のつながりの大切さを教えてくれる、そんな一冊です。

以下に、本書の収録作品の一部を紹介します。

  • 「駄菓子屋のおばちゃんは見た」

駄菓子屋のおばちゃんは、ある日、通りすがりの若いカップルが、ある秘密を隠していることに気づきます。

  • 「おばあちゃんのお弁当」

駄菓子屋のおばちゃんは、いつもお弁当を忘れてくるおじさんに、お弁当を作ってあげます。

  • 「おばあちゃんの恋」

駄菓子屋のおばちゃんは、昔から片思いをしている男性に、想いを伝えようとします。

これらの作品は、どれも、小さな商店街で起こる人と人とのつながりを、温かく、時に切なく描いています。

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