日本と中国、両国が未来を賭けて戦う近未来戦争SF! 潜入、諜報、そして圧倒的リアリティ。知略と勇気が交錯する、本格軍事SF小説『零を継ぐもの1 開戦』。絶望の淵から始まる、史上最大の作戦とは?
近未来、国際情勢は緊迫の一途をたどっていた。日本は経済的、軍事的に追い詰められ、中国の脅威にさらされていた。そんな中、日本政府は起死回生をかけた極秘計画「零号作戦」を発動する。その作戦を託されたのは、一人の若き日本人兵士、桜井零。彼は、かつて伝説の特殊部隊に所属し、類まれな才能を持つ人物だった。しかし、彼の前には、強大な中国軍と、そして自国の闇が立ちはだかる。果たして、零は祖国を救うことができるのか?
上遠野浩平氏の最新作『零を継ぐもの1 開戦』は、まさに現代社会のリアルな緊張感を背景に描かれた、本格的な軍事SF小説です。この小説の最大の魅力は、その徹底したリアリティにあります。作者は、綿密な取材と考察に基づいて、近未来の兵器や戦術、国際政治の駆け引きを詳細に描写しています。まるで、実際に起こっている戦争を目の当たりにしているかのような、圧倒的な臨場感と緊迫感に引き込まれます。
物語の中心となるのは、主人公・桜井零の葛藤と成長です。彼は、単なる英雄ではありません。過去の傷を抱え、それでも祖国のために戦うことを決意した、人間味あふれるキャラクターです。彼の卓越した戦闘能力と、冷静沈着な判断力は、読者を魅了してやまないでしょう。しかし、彼が直面するのは、物理的な敵だけではありません。国家の思惑、裏切り、そして非情な選択。彼は、戦場という極限状態の中で、人間としての尊厳を守りながら戦い続けることができるのか?
この小説は、ただの戦闘描写にとどまりません。読者は、桜井零の視点を通して、戦争の残酷さ、人間の弱さ、そしてそれでも失われない希望を深く考えさせられます。戦争が、一部の英雄によってではなく、多くの人々の犠牲と苦しみの上に成り立っていることが、痛いほど伝わってきます。それは、決して他人事ではなく、もしかしたら現実になるかもしれない、という恐ろしいほどに生々しい感覚を私たちに与えるのです。
『零を継ぐもの1 開戦』は、軍事SFファンはもちろんのこと、社会派ミステリーやアクション小説が好きな方にもおすすめです。壮大なスケールで描かれる物語、複雑に絡み合う人間関係、そして先の読めない展開。ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしです。
絶望の淵から始まる、史上最大の作戦。桜井零の戦いは、まだ始まったばかりです。この物語の結末を、あなたは予測できるでしょうか?