心配ないよだいじょうぶ。子どもが不安を克服するためのガイド。おたすけモンスターシリーズ第1弾。心理学の知見に基づき、不安な心に寄り添う一冊。親子で読み、困難を乗り越える勇気を育む魔法のセラピーブック。

子どもにとっての世界は、大人が想像する以上に未知と驚きに満ちています。そして、その未知は時として、自分を飲み込んでしまうような大きな「不安」という名のモンスターとなって現れます。本書はおたすけモンスターという親しみやすい存在を通じて、子どもたちが自分自身の感情を理解し、手なずけるための具体的な方法を優しく説いています。ただ「頑張れ」と突き放すのではなく、不安を感じることは決して恥ずかしいことではないという肯定から始まる物語は、傷つきやすい子どもの自尊心を丁寧に守り抜きます。

この本の素晴らしさは、理論だけでなく、子どもの目線に徹底的に立った実践的なワークが盛り込まれている点にあります。不安で胸が締め付けられそうなとき、どのように呼吸を整え、どのように考え方を変えればいいのか。心理学の確かなエビデンスに基づいた技法が、可愛らしいイラストと共に展開されます。それは、暗い森を歩く子どもに差し出された、小さな、けれど決して消えることのない松明の光のようです。親子で一緒にページをめくる時間は、単なる読書を超えて、深い対話と信頼を築くための尊い儀式となるでしょう。

私自身、この本を読み進める中で、かつて自分自身が抱えていた幼い日の不安が、静かに癒やされていくような感覚を覚えました。大人が読んでも気づかされることが多いのは、この本が「人間が困難と向き合う際の本質的な知恵」を扱っているからに他なりません。親として、あるいは教育に携わる者として、子どもにどのような言葉を掛ければその心が救われるのか。本書はその答えを、押し付けがましくない慈愛に満ちた言葉で示してくれます。

「だいじょうぶ」という言葉には、魔法の力があります。しかし、その魔法を真に効かせるためには、不安という感情を無視せず、正しく受け入れるプロセスが必要です。本書はそのプロセスを一段ずつ、歩幅を合わせて共に歩んでくれます。読み終えたとき、子どもの表情には、自分自身の力で一歩踏み出そうとする、凛とした強さが宿っているはずです。

これは一生ものの心の守り神となる本です。子どもたちがこの先、どんなに大きな壁にぶつかっても、「自分の中にはおたすけモンスターがいる」という記憶が、彼らを支え続けるでしょう。大切な我が子の笑顔を守り、未来を切り拓く力をプレゼントしたいと願うすべての人に、心からおすすめしたい至極のガイドブックです。